【Covid-19】WHOのパンデミック宣言が遅れて発令された理由

ブログ

こんにちは。

南国ペナンでロックダウンにより自宅待機中のえいひれです。

今日はコロナウィルスとWHOとお金の関連について面白い記事を見つけたので、それについて書きたいと思います。

中国・武漢のマーケットで謎の肺炎が報道で報じられ、人から人への感染が確認され、そして世界的にも感染者数が増えていきました。

その中で、ソーシャルメディアを通じて、武漢の医療関係者が感染力の強さを警戒して欲しいと訴えてきました。WHOも新型コロナウィルスの危険性が「非常に高い」と主張しながらも、一向にパンデミック宣言をしませんでした。

WHOの優柔不断な姿勢が、諸国の意思決定を遅らせてしまいました。本来ならもっと早くにロックダウンしていれば、感染者・死亡者を低く抑えられたはずでした。

なぜ、WHOは「パンデミック宣言」をためらったのでしょうか?

WHOは2009年に新型インフルエンザH1N1のパンデミック誤警告をしてしまいました。今回の新型コロナウィルスのパンデミック宣言をためらったのも、この過去の苦い経験があったからだと言います。

しかし、実は裏で、お金が絡んでいたかもしれないのです。

パンデミックと宣言することによって、損失をこうむる人たちがいたのです。世界銀行が発行する「パンデミック債」というものを購入した投資家・機関です。

2017年6月28日、万が一の災難が発生した場合に、もっとも被害を受けるであろう第3国へ迅速に援助できるように、世界銀行が発行体のパンデミック債がうまれました。

この債権には、2種類あります。利回りは低めだがパンデミックになっても元本が8割強が戻ってくるAノート、もう一つは利回りは高めだがパンデミックになってしまったら元本が戻ってこないBノート。

Aノートの発行額:2億2500万ドル 7割強を欧州、3割弱を米国の投資家が購入

Bノートの発行額:9500万ドル 8割以上を欧州の投資家、その4割強を年金基金が購入

パンデミックが宣言されれば、Bノートは元本がすべて保険金支払いに使われることになります。つまり、投資家が受け取れるのは今までのクーポン(=配当)のみとなります。そのため、市場取引価格は額面の1割(つまり、100円の額面なら10円)まで下落しました。

“パンデミック債の満期日は、両ノート共に2020年7月15日です。そしてパンデミック宣言が2020年6月18日までに発令されなければ額面償還となります。”

パンデミック宣言を6月19日まで引き延ばすことが出来れば、パンデミック債(特にBノート)を購入した投資家は今まで受け取ったクーポンに加えて債権の額面も戻ってきますので、バンバンザイ。

宣言を引き延ばすように、パンデミック債の投資家からの外部圧力があったと考えても不思議ではありません。

ついに重たい腰をあげて、WHOは2020年3月11日にパンデミック宣言をしました。

ことの重大さを肌では感じていたロックダウン宣言をためらっていた欧米諸国が次々とロックダウン宣言を発令。当初ロックダウンなどせずとも集団免疫でウィルスを克服できると謳っていたイギリスも、ロックダウン。

大西洋を越えたアメリカもついにロックダウン。経済再開を一刻も早くしたいトランプ大統領も期待に反して、新規感染者は爆発的に増加。イースターまでに経済を再開させると目標としていましたが、あっけなく断念せざるを得ませんでした。

下の図はニューヨークタイムズの記事から引用したものです。縦の黄色い線が、政府が緊急宣言を発令するタイミングで、感染者と死者数がどう変わるかを視覚化したチャートです。遅れれば遅れるほど、オーバーシュートした時の新規感染者数と死者数が増えることになります。(Todayがこの記事が発表された2020年3月13日です。それより左にAprilとあるのは、おそらく間違いだと思われます。)

reference: https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/13/opinion/coronavirus-trump-response.html
reference: https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/13/opinion/coronavirus-trump-response.html

それだけに、WHOの宣言が1日遅れれば遅れるだけ、地球全体で見る感染者数と死者数は大きく増減してしまうということです。

人命に関わる事柄に、お金というパワーが浸透してきてしまったこと。そして、WHOという国際機関でありながら、人命ではなく、お金勘定の影響にさらされてしまったという事実。

世知辛い世の中でございます。

>>参考記事
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200511-00000001-economist-bus_all&p=3
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70851
http://pubdocs.worldbank.org/en/882831509568634367/PEF-Final-Prospectus-PEF.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました